





北海道の中央。
森に覆われたこの一帯の村落で、不審な野鳥の大量死が発見される。それは何人かの村民への感染まで疑われ、渡り鳥の運んできた鳥インフルエンザと認 定される。付近の鶏にもその影響が出て界隈の養鶏所は閉鎖され、卵の出荷の出来なくなった養鶏業者に自殺者が出る。
5月、その被害は更に拡大し、音別川上流域にある水鳥たちの越冬地ペンケ沼でもカモの死体が二羽確認され、それ以上の拡大を恐れた町は、ペンケ沼一帯 に棲息するマガモ、ハクチョウなどを全て一斉に殺してしまう。
そんな5月の珍しい猛吹雪の夜、森の奥にあるコーヒー店「ブナの森」に、一人の年老いた遭難者がころがりこむ。老人は記憶を全く失ってしまっている。「ブナの森」の女主人・みどりは、この老人を手厚く介護し何とか一命はとりとめるが、老人は記憶をとり戻さない。
口さがない店の常連客たちは老人について色々噂するが、心やさしい女主人・みどりは、老人を庇い店に置いてやる。
周囲の町には春がとっくに訪れているというのに不思議なことにこの一帯だけは冬が完全に居坐ったままである。
そんな時、一つの風評が流れる。
鳥鳥たちの死はインフルエンザ=バード・ウイルスの為ではなく、全く別の原因によるものではないのか、という風評。
初演となった2011年は、開幕と同時に全国各地で鳥インフルエンザウイルスに 感染した鳥が見つかり、大きな反響を呼んだ。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』をヒントに、倉本聰が『ニングル』に次いで書き下ろした自然と人間を描く小さな神話。
初日の公演をご覧になったお客様からの声をご紹介いたします。
■50代・女性
感動しました。
鳥や動物より賢いはずの人間なのに、自分たちの利益の為に・・・
でも、私もそうして生きています。
■50代・女性
渡り鳥たちのメッセージを倉本先生の演劇によって受け止めることが出来ました。いつも“視点”の大切さを教えていただき、富良野を後にします。
■女性
奇想天外なメルヘンと、怖い現実が見事に混ざり合って素晴らしい作品でした。
■40代・女性
このお芝居を見て、また今の日本を手遅れという思いが込み上げるとともに自分に出来ることは何かと考えさせられました。ラジオドラマを聴き、物語を知っていましたが、劇場で見られて良かったです。
■40代・女性
素晴らしい傑作だと思いました。口蹄疫などが出た時、当事者はどんなに辛いだろうと思っていましたが、考えるのが辛すぎて途中で考えるのをやめていました。その他にも苦しすぎて途中で考えるのをやめてきたことを、倉本さんはみんなに代わってずっと考え続けて、答えを考えてくれたように思いました。そして人間としての連帯責任を背負わなければならないことを、はっきりと示してくれたのだと感じました。
■40代・男性
ラジオドラマで聴いていました。舞台で見ることで、その世界をまた観ることができてとても嬉しいです。世界観がとても伝わり、感激しました。
■男性
自分たちの使った昔の薬品が、今に影響していることにも気付かず・・・何だかとっても考えさせられました。
たった2、3羽の鳥インフルエンザで鳥たちを殺す。殺された鳥たちが虫に食べられ、動物たちに食われ、それから草木や花が咲いて春が来る。恥ずかしいけれど今、そうした自然の営みを改めて知らされ、考えさせられました。
■女性
セットが幻想的で綺麗でした。見えないもの、見えてこないものを見ることは大事ですね。
便利なことに慣れてきた私はこの作品を観て、反省します。
■30代・女性
喫茶店のセットがとてもとても素敵でした。
外で深刻なことがあっても、当たり前に出入り自由で、一人でいてもみんなでいても、軽口をたたいたり、真剣な話をしたり、そんなことができる暖かい場所は生きていくのに必要だよなと感じて見ていました。その場所があるから毎日を過ごしていける、そんな場所を大切にしたいと思います。
■男性
今までほとんど演劇を観たことがありませんが、一番面白かったです。
演劇を観ながらいろんなことを考えさせられました。メッセージをこういう方法で発信できるんだと思いました。
■60代・女性
昨年から1年間の世の中の動きや風潮を折り込み、練り上げた舞台になっていて良かったです。アフタートークも新しい試みで楽しかったです!
■60代・女性
不安定な人間、不確実な人間、正確な自然、変わらぬ自然。
知恵を働かせることのできる人間、骨までも活かす自然。
小さなことでも実行します。
■40代・女性
人の手によって自分たちの首を絞めるはめになること、自然と共存できずに自然や小さい命を殺してしまう愚かさを改めて考えさせられます。昨年の震災を経験してもなお・・・何度も意識する必要を感じています。アフタートーク、ありがとうございました。
■60代・男性
アフタートークで倉本さんの生のお声を聞けて感激しました。今日来て良かった!