本作『マロース』は、2009年制作のラジオドラマを経て、2011年1月に舞台化されました。
奇しくもその公演期間中、宮崎県の養鶏場から強毒性の鳥インフルエンザに感染した鳥が見つかったというニュースに世間が揺れ、あまりにタイムリーな物語に、御来場のお客様から大きな反響を呼びました。
初演の千秋楽から程なくして東日本大震災が発生。
翌2012年1月の公演には、震災、その結果としての原発事故の経験を踏まえた大幅な改稿のもと、再演されました。
人間の作った化学薬品、原発による事故、そうした恐怖を知る由もなく生きる自然の中の小さな生き物たち。
人間が智恵を絞って築いてきた文明の成果が、そうした邪心なき生き物の生命を脅かし、今、静かに生態系が破壊されゆく現実。
その現実はいずれ我々の身に及ぶであろうという、この強烈なメッセージを、今冬、エンタテイメントとして再び発信致します。
『マロース』初の全国ツアー。富良野から東京まで、2ヶ月半、マロースをどうぞ宜しくお願い致します。